電気ケーブルを束ねるための配線材料で頻繁に使用される結束バンドを沿岸部の地域で使用するとき、塩化ナトリウムや塩化亜鉛などの塩素系化合物により化学反応が発生し、内部のナイロンが劣化し破断する塩害が起こり得ます。
注意すべきなのは沿岸部だけでなく、寒冷地で使用される融雪剤や凍結防止の材料にも、塩化ナトリウムが含まれていて塩害の原因になります。そのため塩害に対して十分な耐久性を持ち、ナイロンの破断を防ぐ結束バンドが、至るところで開発されています。結束バンドを塩害から防ぐためには製品の材質にこだわる必要があります。バンドの一般的な材質はナイロン66ですが、耐塩害性の面で不十分な点があります。
そこで耐候性ポリプロピレンや耐候性ナイロン12を製品に含有したバンドが有効と言われています。屋外での実証試験をクリアし、長期間の耐久年数のある製品が増えました。塩素系化合物に対する耐性が強化され、沿岸部の塩分を含んだ強風から守ります。耐候性なので寒冷地での厳しい寒さや凍結防止剤などの薬品にも対応できるようになっています。
結束バンドに水分の吸収を可能な限り抑制し、寿命が格段に延長されています。結果的に結束バンドを管理、運用していく中でその耐久性が強化されるので、修理や再設置といった煩雑な作業も少なくなり、全体的コストを削減できるので経済的です。余分な作業が減るので環境負荷を減らし、総合的にプラスの効果が大きくなります。