紫外線は太陽から発せられるもので、浴びることでさまざまな物質を劣化させるものです。
このため、長期にわたって太陽光のあたる屋外などにケーブルを設置する場合には紫外線に対する対策を施しておくことが重要になってきます。ケーブルでも金属の場合には紫外線の影響は受けにくいもので、それよりも酸性による劣化の方が問題になるものですが、金属を保護するための被膜には樹脂が使われており、これらが劣化します。被膜の役割は金属を劣化させないためのものですから、被膜が劣化すればいずれ中身の金属も劣化することを意味するものです。
特に紫外線に強い樹脂も登場しており、耐候性と称して売られています。実際に使われているのがカーボンブラックと呼ばれるもので、これらを配合した樹脂であれば何も施していないものと比べて長期間にわたって使用することが可能です。ただ、長期間にわたって使用できるといっても永遠というわけではありません。いずれは被膜が劣化してしまい中身の金属が外気と接してしまうことになります。
通信や電気といったケーブルで、金属が劣化すると通信用途ではノイズが発生する原因になり、正常な通信ができなくなるリスクが高まりますし、電気の場合には漏電やショートの原因となり最悪の場合には火災の原因になるものです。このため、屋外にケーブルを設置するような場合には紫外線に強いケーブルを使うほか、保護するための管に通すなどの工夫をすることが不可欠です。